アキレス腱症(腱炎)とは?
アキレス腱症は、アキレス腱自体の炎症でオーバーユース、オーバーロードなどで微細損傷や小断裂が繰り返されることにより腱に変性が起き、炎症が生じ発生します。以前のような腱炎、付着部炎といった名称はほとんど用いられなくなり、前者をアキレス腱症、後者をアキレス腱付着部症と呼ぶようになっています。
アキレス腱周囲炎とは?
アキレス腱を包んでいるパラテノン(腱膜)の炎症で、パラテノンの炎症が繰り返されパラテノンの肥厚、腱との線維性癒着などが生じてくると慢性化してきます。アキレス腱症と周囲炎は区別が難しく、併発していることが多いです。アキレス腱周囲が腫れていれば、周囲炎を起こしている可能性が高いです。アキレス腱症は、腱自体を押さえて痛ければ可能性があり、MRI・エコーで腱自体の変性などが認められれば診断ができると考えています。逆になければ、周囲炎と見ます。
アキレス腱付着部症とは?
付着部での炎症と滑液包での炎症に分けられます。アキレス腱が付着している部位に強い牽引力が加わり、その少し上では腱と骨が接しているため、圧迫力を受けています。これらの力が繰り返し加わることで、付着部に変性が起き、痛みが生じます。骨棘(骨のとげ)が出てくる場合もあります。滑液包(皮膚、腱、靭帯が骨とこすれるのを防ぐ衝撃を吸収する袋です)炎は、アキレス腱と踵の間にある滑液包が、刺激により炎症を起こす疾患です。解剖的に踵の後方隆起が生まれつき大きい人に出やすいです。