骨粗鬆症(こつそしょうしょう) とは?
骨粗鬆症とは、骨の量が減り、骨がもろくなり骨折しやすくなる病気です。
骨粗鬆症による高齢者の骨折(腰椎圧迫骨折、大腿骨頸部骨折)は、生命予後に関わり骨卒中とも呼ばれています。
当院ではDEXA(デキサ)法にて、大腿骨、腰椎の骨密度を測ります。
DEXA法は、超音波(かかとの骨密度)、MD法(手のひらの骨密度)より精密に骨密度を測定します。
骨は、毎日、骨を作る細胞、骨を吸収する細胞の働きで、骨の強度を維持しています。
高齢者になると、骨を作る細胞が弱くなり、骨を吸収する細胞が活発になるので、骨がカスカス(骨粗鬆症)になっていきます。
そのため、今、骨密度をあげる(骨を強くする)いろいろな薬が出てきています。
内服のお薬は、主に骨を吸収する細胞の働きを抑え、骨密度を徐々に増やしていきます。
注射剤は、骨を作る細胞を増やすタイプと骨を吸収する細胞を抑えるタイプの2種類があります。
当院での骨粗鬆症の診断、治療の流れとしては、DEXA、レントゲンにて診断し、その人に合ったお薬を勧めています。
本当に効果があるかは、採血で診断できます。投薬する前と後(投薬3.4か月後)で骨を吸収する細胞が本当に抑えられているかが分かります。効果がなければ、ほかの薬剤を選択していきます。
自分に合ったお薬を使用し、骨卒中の予防をしていきましょう。
当院での骨粗鬆症治療の流れ
まず、骨密度(DEXA法)、胸椎、腰椎のレントゲンをします。
骨密度が、若者と比べて70%未満や、椎体(背骨)の圧迫骨折などを認めれば、薬物治療の対象となります。
内服にするか、注射にするか(骨密度が60%未満の方は、注射が第一選択と考えてください)を決定します。
採血も行います。(腎機能、カルシウムなどのほかに骨芽細胞の働き、破骨細胞の働き)などを調べます。(高血圧などの薬は、血圧を測れば効果があるか分かりますが、骨粗鬆症の場合は採血で分かります)
薬の効果があるかは、治療開始3.4か月後にもう一度採血をして調べて判定します。骨密度(DEXA法)は、半年に一回します。
かかりつけの歯医者さんと連携します。(歯周病は骨密度の上昇の妨げ、顎骨壊死の原因になります)
最後になぜ骨粗鬆症の治療をするのかは、ずばり骨卒中(脊椎圧迫骨折、特に大腿骨頸部骨折:起こした場合生命予後が悪くなります)を防ぐためです。
骨粗鬆症の治療
食事編
カルシウムを多く含む食事の摂取は重要です。でも実はこれだけでは、骨密度はなかなか上がらないのです。しかし、カルシウムは、骨形成に必要なミネラルで、骨粗鬆症の人には、カルシウムの摂取は重要になってきます。
カルシウムは牛乳や乳製品(一番最適といわれています)、小魚、緑黄色野菜、大豆などに多く含まれています。1日あたりカルシウム:700-800mg 程度を摂ると良いです。
ビタミンDは、小腸からカルシウムを吸収するのに必要な栄養素です。魚類やキノコ類に主に含まれています。
それぞれの食品にどれくらいカルシウムやビタミンDが含まれているのかについての詳しい情報は、下記の表を参考にしてください。
食品名 | 一回の使用量 | カルシウムの量 |
---|---|---|
牛乳 | 210g(コップ一杯) | 227mg |
ヨーグルト | 80g(1個) | 96mg |
プロセスチーズ | 20g(1枚) | 126mg |
干しえび | 10g(5尾) | 710mg |
ごま | 6g(大さじ1杯) | 72mg |
ミルクチョコレート | 65g(1枚) | 156mg |
みずな | 120g(1/6束) | 252mg |
サバの缶詰め | 220g(1缶) | 572mg |
【カルシウムを多く含む主な食品】(可食部〈普段食べている部位〉)
食品名 | 一回の使用量 | ビタミンDの量 |
---|---|---|
サケ | 80g(1切れ) | 30.7μg |
サンマ | 84g(1尾) | 10.9μg |
カレイ | 75g(1尾) | 6.9μg |
ウナギの蒲焼 | 80g | 15.2μg |
ゆでまいたけ | 75g(1パック) | 4.4μg |
ゆでキクラゲ | 30g(10個) | 2.6μg |